第2559冊目 入社1年目の教科書 岩瀬 大輔 (著)


入社1年目の教科書

入社1年目の教科書

  • 仕事は根回し2


「基本的なことの合意形成」


「対処可能な反論をつぶす」


根回しとは、行程3と4の間に、こうした作業を入れ込む行為なのです。


僕はいま、政府のIT戦略本部の専門調査会に関わっていて、その部会では関係者を呼んでヒアリングをすることがあります。最近では「医薬品のネット販売規制についてのヒアリング」という回がありました。


販売規制をなくせという人たちと、規制をかけろという人たち、それに厚生労働省の官僚に、ヒアリングに出席してもらいました。


このときも、僕は事前にメールで質問を投げて、事前に回答をもらうようにしています。フィードバックの中で発生した疑問について、さらにもう一度質問をぶつけ、それに対する回答をもらったうえで会議に臨みました。


そのおけげで、短い時間を有意義に使うことができたのです。


根回しという言葉が嫌なら、事前準備、予習という言葉に置き換えらればいいのではないでしょうか。論点をクリアにし、議論を深め、限られた時間を効率良く使うためには、必須の作業だと捉えてください。


根回しは、会議だけではなく企画立案の際にも応用できます。


上司や先輩に事前に耳打ちして得た簡単な反論や不安材料は、調査したり検討を深めたりすることでつぶすことができます。上司とのやり取りは必要最小限で済み、立案から成立までの時間が短縮されることでしょう。それによって仕事のサイクルが早まり、あなた自身の成長もより促進されていくことになると思います。