第3106冊目 FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著),‎ トニ・シアラ・ポインター (著),‎ 西田 美緒子 (翻訳)


行動と同じくらい大切なのが態度だ。態度を測定することはできないけれど、売上の増減となって表れる。そして態度はほとんど、ノンバーバルで表現される。店や会社に入って、むかつくような態度の人物を相手にした経験は、誰でもありありと思い出せるのではないだろうか。そういう人物について、私たちは何を観察しているのだろうか? わずかにしかめた顔や、バカにしたような表情まで、すべて目に入っている。そんな表情は見たくないし、私たちは顧客として、そんな行動に対して利益をもたらすべきではない。


それとは正反対の態度として、私はニューヨークにある世界規模の銀行を思い浮かべる。そこでは受付係が、入ってくる投資家に立って挨拶する。客はまさに特別な存在になった気分がする――しかもそれは簡単にできるノンバーバルだ。大きな労力は要らなくても、その姿は美しく、いつまでも忘れない印象を与える。


社員には、仕事ぶりと同時に見栄えも大切だと教えなければならない。一方がもう一方を打ち消してはならず、両者が互いに強め会う必要がある。理想的には、社員を雇ってからではなく、雇う前にこのような期待を伝えておく。ほとんどの社員は秀でたい、成功したいと思っており、その実現は、少しだけ豊かな経験を積んで先に進む者の肩にかかっている。そして先輩は、何がうまくいき何がうまくいかないか、何が人に印象を与えるか、どのように振るまえばいいかを、彼らに教えることができる。社員がこの情報を手にすれば、輝くことができる。


基準を定めるについては、人は同調性を尊ぶこと、ミラーリングは快適さを生むことを覚えておこう。行動と仕事ぶりについて共通の基準を共有するのは、快適なことだ。その結果として生じる団結力は、社員だけでなく顧客にも恩恵をもたらすだろう。