第3105冊目 FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著),‎ トニ・シアラ・ポインター (著),‎ 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学


とにかく行動を起こすことは、まったく行動しないよりもいい。


「ビルの処方センター」は、フロリダ州ブランドンにあるすらばしい薬局だ。ジョン・ノリエガが父のビルから数年前に店を継いでおり、一九五六年以来、どこを見ても目ざましい成功を遂げてきた。この盛況な薬局のすぐ隣には大型チェーン店ウォルグリーンズがあり、一マイル以内には別の全国チェーンの薬局が三店舗も店を構えているのだが、何と車で一時間以上もかかるオーランドから、薬を求めてビルの店にやってくる客までいる。なぜだろうか? それは従業員全員が、すぐに行動を起こしてくれるからだ。どんな問題でも解決するまで努力してくれる。保険会社が支払ってくれない? この店が電話をして、支払にこぎつける。医者が折り返しの電話をくれない? その医師にはジョンからの電話が入る。車で店まで行けない人がいれば、店のほうから車で来てくれる。何か説明してほしいことがあれば、印刷物をもらうだけでなく、薬剤師からじかに説明を聞ける。客が店内に入ると従業員のひとりが必ず対応し、しかも名前を覚えている。想像してみよう――この時代にあって、正真正銘の顧客サービスだ。