第3107冊目 FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 ジョー ナヴァロ (著),‎ マーヴィン カーリンズ (著),‎ 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

  • なだめ行動


なだめ行動は、さまざまな形で現れる。私たちはストレスを感じると、首をそっと撫でたり、顔をさすったり、髪の毛をもてあそんだりする。本人は無意識なのに、脳が「今すぐ、なだめて」というメッセージを出すから、ただちに手が反応し、自分を快適な状態に戻す行動を起こしているにすぎない。口の中から舌先で頬や唇をこすって気を静めることもあるし、頬をふくらませながらゆっくり息を吐き出して、自分を落ち着けることもある。ストレスが感じた人が喫煙者なら、たばこを吸う量が増える。ガムを噛む習慣があるなら、噛む速度が上がる。こしたなだめ行動はすべて、脳の同じ要求を満たすものだ。脳は体に神経の末端を刺激する行動を起こさせ、それによって脳内に落ち着きをもたらすエンドルフィンを分泌させて、脳の興奮を抑えようとしている。


この本の目的に沿って考えると、負の刺激(たとえば、難しい質問、戸惑うような状況、あるいは何かを見たり聞いたり考えたりしたためのストレス)に応じて顔、頭、首、肩、腕、手、脚に触れるのは、すべて、なだめ行動とみなすことができる。こうして体の一部を撫でてみても、問題は解決しないが、冷静さを保つのには役立つ。そのような行動は自分自身をなだめていることになる。男性は顔に触れる場合が多く、女性は首、衣類、装飾品、腕、髪の毛に触れることが多い。