第2534冊目できる人の仕事のしかた リチャード・テンプラー (著)
- 作者: リチャード・テンプラー
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2012/12/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 一瞬のチャンスをつまかえる
私はたしかに「プランを持て」と言った。そう、あなたには長期計画と短期計画の両方が必要だ。しかし人生には、プランを捨てなければならないときもある。それはチャンスが到来したときだ。
私の友人で、思ったように昇進できずにいる男がいた。ある日彼は列車で、偶然にも会社の会長と同じ客室になった。これは彼にとってチャンス到来だった。
そのとき彼は、会長への敬意を示しながら、気軽なおしゃべりを楽しんだ。そして会話に、会社の歴史、ミッション、全体的な方向性を深く理解していることをさりげなく盛り込んだ。チャンスを生かし、完璧に自分を売り込んだのである。
自分の考えを分かりやすく伝えながらも、決してでしゃばらず、黙るべきときと、引くべきときを心得ていた。がつがつと自分を売り込みすぎなかったのも功を奏した。
彼の作戦は大成功だった。彼の部署のトップが、会長から直々にいう言われたのだ。
「きみの部署にはなかなか優秀な若者がいるじゃないか。彼にもっと上の仕事を任せてはどうかね」。会長にそう言われたら、彼を出世させるしかないだろう。
これが「チャンスをつかむ」ということだ。
偶然のチャンス到来を、あらかじめプランに組み込むことはできない。チャンスはボールのようなものだ――自分に向かって投げられたら、反応してキャッチするまでの時間はほんの一瞬しかない。
質問をする時間はないし、後ろを振り返る時間もない。プラスの点とマイナスの点を吟味する時間もない。ボールをキャッチするか、またはしないかのどちらかだ。
今までの人生を振り返り、逃したかもしれないチャンスについて考えてみよう。もう一度同じチャンスに恵まれたら、今度はどうするだろう。違う反応をするだろうか。あのときの失敗の原因は何だったのだろう。