第2473冊目 その話し方では軽すぎます!  エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』 矢野香 (著)


その話し方では軽すぎます!  エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』

その話し方では軽すぎます!  エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』

  • 表情、声、姿勢などを再点検する


突然ですが、質問です。相手に言われて嬉しいのは、どちらの言葉ですか。


「お若く見えますね」


「もっと年上かと思いました」


前者は一般的には褒め言葉です。女性の場合は、こちらを選んだ方も多いことでしょう。しかし、若く見える、ということは、軽く見られている危険もはらんでいます。喜んでばかりいられません。


理由がどこにあるかが問題です。皮膚の艶やうるおい、髪の毛などが理由であれば、肉体的な若さとして素直に喜んでよいでしょう。


しかし、「なんとなく」「雰囲気が」「元気だから」などと、理由が曖昧だとしたら要注意です。非言語要因(表情・声・姿勢)の何かが若い、つまり軽いのです。


仕事の取引先に提案、プレゼンをする場があったとします。キャリア十数年以上の人と、新入社員の意見では、相手の受け止め方の重さは当然変わります。キャリアの年数は、「私はこの仕事をして十年です」と名言しないかぎり、相手は想像するしかありません。


「見た目だ判断すると、年齢が四十代後半、管理職になっているだろうから、キャリア二十年以上の人の意見だろう」「年齢が三十代にしか見えないから、まだ十年そこそこの経験しかないのかもしれないな。そのレベルの人の提案は、その程度のものだな」という具合です。つまり、「もっと年上かと思いました」という言葉は、「あなたの自己表現からキャリアを感じた」という意味とも言えるのです。


年相応、という言葉がありますが、キャリア相応の受け具合は必要ということです。若ければいいわけではありません。自分の実力に伴ったキャリア相応の年齢に見られる自己表現を心がけていきましょう。