第2226冊目 FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター (著), 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

  • 何をするかで人柄を判断される――行動のノンバーバル


自分の職場を思い浮かべてみよう。誰のオフィスが散らかっているだろうか? いつも遅刻するのは誰だろうか? 会議で時間を無駄にするのは? 人が話しているあいだもひっきりなしにスマートフォンをいじっているのは? いつも折り返しの電話をしてこないのは? 仕事を怠けて、言い訳ばかりしているのは? 仕事中に無駄話が多いのは誰だろうか?


きっと思い当たるはずだ。職場の仲間も、みんな同じように思っている――当の本人以外は。そういう人たちは、自分の行動が自分自身のイメージにどんな悪影響を及ぼしているかに気付いていない。ほかにたくさんすぐれた技能をもっているかもしれないが、競争の激しい現代の就職市場には、同じような技能をもっていながらオフィスを整理できる人、定刻に仕事を始められる人、会議の準備をしっかりできる人、同僚を尊重できる人、給料にふさわしい働きをできる人が、必ずほかにいる。エチケットとすぐれたノンバーバルには、どちらも周囲の人を快適にし、よい結果を生み出すような行動に焦点を当てるという共通点がある。仕事の世界で忘れがたい印象を残す行動のノンバーバルはたくさんあり、整理整頓、時間厳守、周到な準備、人への気遣い、勤勉さは、ほんの一例にすぎない。


結論を言うと、あなたの行動はまわりの人たちの目にさらされていて、その行動によってあなたを見る目が決まっている。職場なら、あなたが何時に出社するか、煙草を吸いにどれだけ頻繁に席を外すか、私用の長電話がどんなに多いか、たびたび病欠をするか、質の高い仕事をしているか、上司にこびへつらっているか、すぐに泣き言を言うのか、黙々と懸命に働くのか、まわりはすべてお見通しなのだ。誰にも気付かれていないと思うなど、現実逃避にもはなはだしい。マイナスの影響を及ぼす行動は、自分にも会社にもはっきりしたマイナスの印象を残している。