第2702冊目 FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター (著), 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

  • 何をするかで人柄を判断される――行動のノンバーバル


結論を言うと、あなたの行動はまわりの人たちの目にさらされていて、その行動によってあなたを見る目が決まっている。職場なら、あなたが何時に出社するか、煙草を吸いにどれだけ頻繁に席を外すか、私用の長電話がどんなに多いか、たびたび病欠をするか、質の高い仕事をしているか、上司にこびへつらっているか、すぐに泣き事を言うのか、黙々と懸命に働くのか、まわりはすべてお見通しなのだ。誰にも気付かれていないと思うなど、現実逃避もはなはだしい。マイナスの影響を及ぼす行動は、自分にも会社にもはっきりしたマイナスの印象を残している。


あなたの行動に気付いているのは社内の人に限らない。あなたやあなたの部下の行動には、社外の人たちも目を向けている。たとえばアメリカの病院や医療施設では、患者の退院時にアンケート調査をすることが義務づけられている(病院利用者による医療プロバイダーおよびシステムの評価と呼ばれる調査)。二一項目の質問のうち三分の一もが、医師は熱心に治療しましたか? スタッフアは要望に耳を傾けましたか? 病室の担当者は迅速に対応しましたか? といった、ノンバーバル・コミュニケーションに関するものだ。私はあとの章で、相手を安心させるとともに、自分自身も最もよく見せるようなノンバーバル行動を身につけることによって、自分とそのまわりから際立たせる方法を説明する。今、特にインターネットがこれほど広く行き渡ったせいで、自己提示(セルフ・プレゼンテーション)が重要な意味を帯びるようになった。大学教授がオンラインで評価され始めたばかりのころは、まだそれほど深刻ではなかったが、今やブロガーやサービスへの不満を書き込むだけで、企業が大打撃を受けることもある時代だ。低い評価には売上を大幅に落とす力があるからこそ、アマゾン・ドット・コムはサービス向上にあれほど精力的に取り組んでいるのだろう。