第2019冊目 その話し方では軽すぎます! エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』 [単行本] 矢野香 (著)
その話し方では軽すぎます! エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』
- 作者: 矢野香
- 出版社/メーカー: すばる舎
- 発売日: 2012/03/07
- メディア: 単行本
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- 「実は」を頻繁に使わない
軽い印象を与える言葉は、幼い言葉ともう一つ、「本来の意味が重い言葉」です。
これらを誤って使った場合、逆にとても軽くなります。使うべきでないところで、その言葉を使ったがために全体が軽い印象になってしまうのです。
その一つが「実は」。「本当のことを打ち明ける」といった重い内容を示唆する言葉です。誰もが使っている程度のこと、見ればわかる程度のことに対して、「実は」ともったいつけて使うのは、とても軽い言動です。本来の意味の重さを考えずに使っている浅はかな人、という印象を与えます。
×「実は、この会社に勤務して十年目です」
○「実は、この会社に勤務する前に、自分を会社を潰したことがありまして」
同じく本来の意味が重たい言葉に、「なんと」「ちなみに」「要するに」「本当に」「早速」「ちょうど」などがあります。
参加できないと返事をしていたある会合に、急に出席できることになり、こんな発言をしたとしましょう。
×「なんと、実は、私も行けるようになりました。本当にラッキーです。ちなみに、これはA君が当日の当番を代わってくれたおかげなんです。要するに、A君には感謝しているんです。彼には借りができたので、何かお礼をしようと思って、ちょうど話題になっていたイタリアンの店に、早速食事に誘いました。
いかがですか。全体のトーンが非常に軽々しい印象になっていませんか。
「なんと」「実は」など副詞的に使う言葉を、文をつなぐときの接続詞のように使うのがクセになっている方がいらっしゃいます。これらの言葉は、使うこと自体が悪い言葉ではありません。一度辞書で本来の意味を調べ、その言葉が相応しいと思えるときのみ、使用するようにしてください。
また、重い意味をもつ言葉だけでなく、「しかし」「それで」などの接続詞であっても、言い方が軽いと与える印象も軽くなります。
「しかしぃ〜」と語尾を伸ばしてみたり、「しかしっっ」と促音を入れてみたり、「それで」のつもりで一部を省略して「で、」と言ってみたり。
人前で話すときにどんな接続詞を使っているか、スピーチを録音し、言葉を全て書き起こすと一目瞭然です。