第2054冊目 その話し方では軽すぎます! エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』 矢野香 (著)
その話し方では軽すぎます! エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』
- 作者: 矢野香
- 出版社/メーカー: すばる舎
- 発売日: 2012/03/07
- メディア: 単行本
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- 言葉の語尾をきちんと下げる
抑揚のつけ方には決まりがある
若い方の軽いしゃべり方の特徴として、助詞の音が上がるクセがあります。
「私は、会社を経営しています」
という言葉のなかで、「は」、「を」の部分で音が上がるのです。
「私は〜↑、会社を↑経営しています」
という具体です。
ここまでひどいイントネーションではないにしても、エグゼクティブの方にも言葉の語尾が下がりきれていないクセをお持ちの方を見かけます。
「〜して↑、〜して↑」と区切れごとに上がってしまうのです。これは内容を考えながら話しているせいで起こるクセです。
考えながら話すにしても、例えば「〜しました」と一旦話し終えてから、「そして、〜しました」と短文に切って話します。話の「間」は堂々と取ってかまいません。このほうがよほどスマートです。間を怖がらないことです。
日本語では、音の高低も、発言内容が重く感じられるかどうかに影響を与える要素の人です。文全体のイントネーションは、文のはじめの音が一番高く、しだいに音程が下がってきて、文の終わりでは下がりきるのが正しい日本語の発音です。
「私は、会社を経営しています」であれば、「私」の「わ」の音が一番高く、「しています」の「す」が一番低くなります。一つの意味のまとまりに対して、高い低いというイントネーションをつけて話すのです。
聞いている方は、相手の音が高い音から低い音に下がってくると、「この発言はそろそろ終わりだ」と予測します。音が下がりきることにより、話の切れ目、区切りをしっかりと認識するのです。
ところが、よくいらっしゃるのが、「経営しています」の「し」「て」「い」「と「ま」「す」が同じ高さになってしまっている方です。
「し」「て」「い」「ま」「す」も段階的に音が下がっていくべきなのに、音が下がりきれていないのです。話の切れ目が明確でないと、発言の内容もはっきりしないものに聞こえてしまいます。
語尾になるにつれて、モショモショモショと尻つぼみで小さな声になり、何を言っているのか、聞き取りにくい方もいらっしゃいます。
質問する場合、省略形のように語尾が消えてしまう方もいらっしゃいます。
本来、「〜というのはいかがですか」と質問すべきところ、「〜というのは……」となってしまうのです。これでも意味は通じるのですが、非常に頼りない印象です。語尾が聞こえづらいことで自信がないように見えて、印象が軽くなるのです。
ダンディな声優さんんおように、非イオンの響く声だからといって、重い印象になるのではありません。「しています」の「す」が、ご自身の出せる音の中で、一番低音になっているからこそ重みを感じさせるのです。全体の音が低音である必要はありません。語尾の最後がきちんと下がり切れているかどうかが大事です。