第930冊目  なぜあの人は人前で話すのがうまいのか [単行本]中谷彰宏 (著)

なぜあの人は人前で話すのがうまいのか

なぜあの人は人前で話すのがうまいのか

自分の名前は、明瞭に言う。


自己紹介で自分の名前を言う時に不明瞭に流して言う人が多い。

これは不適切です。

自分の名前は100万回言っているので、サラサラッと流して言いがちです。

ところが、相手は初めて聞く人です。

自分の名前を覚えてもらうためには、名前を明快に言うことです。

自分の名前を不明瞭にしか発声できない人は、話の内容はよくても名前を覚えてもらえません。

それで、ふだんいかに小さい世界の中で生きているかがわかります。

知らない人と会っていないのです。

毎日いろいろな業種・業態の人と出会っている人は、自己紹介がうまくなります。

自己紹介がヘタな人は、ふだん知らない人と出会っていないということです。

その人の行動半径がきわめて狭いのです。

毎日知らない人と会っていれば、日々自己紹介の連続です。

ところが、自己紹介のいらない世界でいつも同じ人と会っている、名刺を渡せばすむ世界で生きている人は自己紹介ができなくなります。

もともと自己紹介は、みんなヘタです。

最初からうまい人はいません。

自己紹介がうまくならない人は、自己紹介が必要な知らない人が大勢いる場所に行かない人です。

自己紹介をしてもらうことで、その人がどのぐらいの好奇心を持ち、行動力があり、未知の世界へ踏み込んでいける人かどうかがわかるのです。

「どういうことをされているんですか」と聞く必要はありません。

自己紹介がきちんとできるということは、毎日知らない人と出会っていこうという姿勢を持っている人だとわかるからです。

自己紹介のヘタな人は、人脈が狭いのだとわかります。

ところが、そういう人は、自分は人脈が狭いとは感じていません。

「私は知り合いが多くて、顔が広くて、人脈はちょっと自信あるんですけど」と言うわりには、自己紹介がヘタというはありえないのです。