第376冊目 ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 キングスレイ・ウォード/〔著〕 城山三郎/訳

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙    新潮文庫

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この自分にとって有利なイメージをつくる能力の欠如は、私にとっては謎である。4年から6年もかけて職業を身につける意欲があるのに、なぜあと1、2週間かけて、服装、マナー、それに話術の原則を学ぼうとしないのだろう?  たとえ正式の教育を受けていなくても、社会生活の基本的なきまりを学んで、まず就職に、ついで社内での昇進に、役立てようとしないのだろう? 人にが身につける特質のなかで、第1に威力を持つのは、もちろん知識だが、第2は正しいマナーである。


私の見るところ、実業界に入るこの種の準備を半分しかしない人が非常に多い。礼儀の正しさは昇進に大きな影響を及ぼす。ところが、それを注意すべき、あるいは改善すべきものとして真剣に考える人はめったにいない。


ウィッカムのウィリアムズは2つの財団、オクスフォードのウィンチェスター・カレッジとニュー・カレッジを創設した。これらの大学の標語は「マナーは人は作る」である。この標語は教育者にも当てはまるだろう。知識と操行は同時に向上するべきであるが、残念ながら、両方を教えられる教育者は少ない。


第一印象はいつの時代でも非常に重要視されるだろう。職を捜すときにはことそうである。君が与えられるのは第一印象だけになる場合も考えられるので、その機会を十分に生かすように。


人に初めて会ったときに私が特に好ましい印象を受ける、あるいは完全に興味を失う、3つの身体的な習癖がある。第1の最も大切なことは、握力が力強いか、弱々しいかである。第2は、話をしたり聞いたりするときに、私の目を見ているか、あるいは秘書室のほうを見ているか、である。第3は姿勢の良し悪しである。

実社会に出発する君へ
あえて挑戦を
教育の設計
成功について
惰性的な生き方には
実社会での最初の日々
誠実さの代価
「企業家」とは何か。
経験の重みに代えて
部下との衝突
共同事業への誘惑
結婚を気軽に考えないで
事業を拡大する上で重要なこと〔ほか〕

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