309冊目 ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 /キングスレイ・ウォード/〔著〕 城山三郎/訳

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙    新潮文庫

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 新潮文庫

私は最初の公認会計士試験に失敗した。信じられなかった! 私はぺしゃんこだんた。6年間も大学で学んだことが全部無駄になったのだ! お終いだった! 翌年再試験を受けることを許されたときには、ほっとして、大きなため息をついたことは言うまでもない。

私は1回目に失敗した理由を知ると、同じことを繰り返すまいと決心した。繰り返しはしなかった。難しい謎がわかっというのではない。努力が足りなかっただけである。それ以来、私は努力を続けていくる。

仕事や勉強の習慣はなかなかつきにくい。学びたいという自然の欲求が必要である。集中力を養うことも必要である。しかし何よりも、勤勉さが必要である。これらの好ましい、生産的な態度を身につけることは、90%の人間にとっては容易なはずだが、実際に身につける人は少ない。

人は失敗するたびに何かを学ぶ。なかには貴重な教訓を学ぶ失敗もある。1回目の公認会計士試験に落ちたことは、過去25年間の私の脳裏から去らなかった。その教訓は何か? 努力しなければならないということである。しかし競争に勝つのは必ずしも動きの速い人ではない。勝つのは過去の競争から学んで、その教訓を活かす人である。

「沈黙は金なり」とある人は言った。そのとおりだと思う。君にも、入社したてのうちは、1オンス喋るには、1ポンド聴く、という比率を勧めたい。

仕事に喜びを見出すためには、3つのことが必要である。適性がなければならない。やりすぎなはならない。そして、達成感がなければならない。

企業家には、成功を確実にすくあの頑固な、粘り強い性向がなければならない。

「どのような防御も例で尽くすことには及ばない」エドワード・ルーカス

実社会に出発する君へ
あえて挑戦を
教育の設計
成功について
惰性的な生き方には
実社会での最初の日々
誠実さの代価
「企業家」とは何か。
経験の重みに代えて
部下との衝突
共同事業への誘惑
結婚を気軽に考えないで
事業を拡大する上で重要なこと〔ほか〕

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙    新潮文庫

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