192冊目 ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 著者/訳者名 キングスレイ・ウォード/〔著〕 城山三郎/訳

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙    新潮文庫

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 新潮文庫

「若いうちに数回失敗することは非常に有益である」トーマス・ヘンリー・ハックスレー

「もっと大きくなれるのに、なんと小さなポテトであることよ」チャールズ・ダッドレー・ワーナー

優れた仲間に加われば、君の勉強方法や努力の程度も、自分でも気づかないうちに、自然に向上するだろう。君は潮に乗るからである。この潮は引き潮ではない。

「この世にあるものは、みな何かの役に立つ」ジョン・ドライデン

前もって計画を立て、自分の選んだ業界分野で実地の経験を積むために使って欲しい。君の年齢ではほとんどあらゆることが新しい経験になる。学ぶのは遅いよりも早いほうがいい。
精一杯の努力をすれば、たいていのことはかなえられる。しかし競争に勝つのは必ずしも動きの速い人ではない。勝つのは過去の経験から学んで、その教訓を活かす人である。

仕事や勉強の習慣はなかなかつきにくい。学びたいという自然の欲求が必要だからである。集中力を養うことも必要である。しかし何よりも、勤勉さが必要である。これらの好ましい、生産的な態度を身につけることは、90%の人間にとって容易なはずだが、実際に身につける人は少ない。

あと数年もすれば、君は人生が登り坂の戦いであることを知るだろう。ひとつの課題を完了したと思うまでもなく、つぎの課題が迫ってくる。着実に努力を重ねないならば、君の一生の失敗率は高くなるだろう。成功する人と、しない人はを分けるのはこの点である。

この自分に有利なイメージつくる能力の欠如は、わたしにとっては謎である。4年から6年もかけて職業を身につける意欲があるのに、なぜあと1、2週間かけて、服装、マナー、それに話術の原則を学ぼうとしないのだろう? たとえ正式の教育を受けていなくても、社会生活の基本的なきまりを学んで、まず就職に、ついて社内での昇進に、役立てようとしないのだろう? 人が身につける特質のなかで、第一に威力を持つのは、もちろん知識だが、第二は正しいマナーである。私の見るところ、実業界に入るこの種の準備を半分しかしない人が非常に多い。礼儀の正しさは昇進に大きな影響を及ぼす。

「財産や事業など残すより、いちばん大切なのは、一生の経験から学んだ人生の知恵やノウハウの集積である。これだけはぜひ息子に伝えておきたい」

「他人の過ちから学べ。自分ですべての過ちを経験する時間はない」

挑戦
教育
成功について
勢いを止めること
現実世界の初日
誠実さ
企業家とは
経験
従業員
共同事業
結婚
事業拡大
金銭感覚
講演
マナー、服装、および振る舞い
銀行の支店長
政府に対処すること
多角化の原則について
読書の価値
チームワーク
幸福に関して
社員を辞めさせること
友情
批判について
家計の管理
備えおくこと
ストレスと健康
リーダーであること
生活とのバランス
自分自身の力で


ビジネスマンの父より息子への30通の手紙    新潮文庫

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