第3967冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田 則夫 (著)

 

 

 

 

-悪いところ探しにならないようにする

 

現場を訪ねるのは、問題点だけを探しにいくのではない。うまくいっているところと、修正が必要なところを見極るために行くのだ。うまくいっていないところについては、その原因を精査し、うまくいくようアドバイスするために現場を訪ねるのである。これが管理監督者のポジションにある職員が現場に足を運ぶ大きな目的の一つだ。

 

さらにもう一点、決して見逃してはいけない重大な目的がある。それは、働く人の安心感をもたらすためだ。自分たちは上司から守られている。上司から認められている。それを実感してもらえるようにすることも、現場に顔を出す目的である。もちろん、現場を訪ね、改善すべき点、見直すべき点がある場合は、それを見逃さずに把握する責任があるのはいうまでもない。が、それだけが目的であるかのような態度をとると、現場の職員はすぐに気がつく。不快感、抵抗感を示すようになる。現場で何が起こっているか、どんなサポートを必要としているか、把握することが困難になる。

 

現場をサポートするという明確な姿勢を示す

 

リーダーの重要な使命は、やり遂げることである。なすべきことを適切な手順と方法で、着実に成し遂げていく。部下や後輩の力だけで解決できないことを、適切な方法でサポートし、解決に導いていく。その重要な役割をもっているのがリーダーである。

 

リーダーとして、現場に目が行き届くよう心がけるのは、何が起こっているか、どのような成果を現場は収めているか、どのような課題に直面しているか、などといった点を把握するためだけではない。把握後に、責任ある立場として、行動を起こすためである。うまくいっている部分については職員の働きを十分にねぎらい、さらなる磨きをかけ、より高い実績があげられるよう下支えしていく。

 

問題や課題がある場合、原因を精査したうえで、改善策を講じ、解決に導いていく。悩みを抱えている職員がいある場合も、同様だ。悩みをもたらす要因を把握したうえで、適切なサポート策を講じ、悩みや苦しみから職員を解放するという実績を示すことが求められているのある。