第3324冊目 「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)  ジェフリー・フェファー (著), 村井 章子 (翻訳)


「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)

「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)


どのように行動するか、どのように話すかを私たちは自ら選ぶわけだが、その決定次第で強さを演出することもできれば、弱い人間に見られてしまうこともある。編集者のハリエット・ルービンは、その秘訣を会得した一人だ。リーダーシップ本のシリーズを担当してきたルービンは、折りに触れて各界のリーダーに取材する機会があり、大事なのは臆することなく主役としてふるまい、自らの力を誇示することだと察知する。それを実践して編集長に昇格し、いまやリーダーシップに関する本や評伝を自ら書くようになった。ルービンは、正しい。話し方やふるまいを外見によって力を誇示できるかどうかは、就職活動から契約交渉、記者発表にいたるまで、あらゆる場面でモノを言うのである。


大手スーパー、サムズクラブやウォルマートの採用担当者も、同じことを言っている。


「自信にあふれる態度の学生も少しはいますが、大半の学生はナーバスになっています。私が好感を抱くのは、こちらの目を見てはっきりとモノを言い、自分の言葉で話せる学生ですね。目をそらしたり、口ごもったり、自分のことをうまく説明できないような学生は採りません」


研究者の間では、人事選抜の方法として面接の信用度は低いというのが定説になっている。ほとんどの企業が面接を実施している。そして、「どんな印象を面接菅に与えるか」で採用が決まってしまう。就職という人生の一大事が外見や演出で決まるのはどう考えてもおかしいが、世の中は正しいことばかりではない。うまく切り抜けるためには、力強く自信ありげにふるまうコツを身につける必要がある。