第3325冊目 「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫) ジェフリー・フェファー (著), 村井 章子 (翻訳)
- 作者: ジェフリー・フェファー,村井章子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2014/01/08
- メディア: 文庫
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ユベロスの座右の銘は、こうだ――権威の二割は与えられるものだが、八割は自ら勝ち取るものである。まさに至言である。勝つ取る方法の一つは、オリバー・ノースのように、自信を持って、あるいは自信ありげにふるまうことである。たとえ自信がなくとも、決然とした態度を示さなければならない。インテルの共同創設者にして元CEOのアンディ・グローブは、その好例である。ハイテク業界の経営者は誰でもそうだが、グローブも、テクノロジーの未来を自分が正確に予測できるとは思っていない。では、見通しが定かではないのにどうやって会社を経営するのか。シリコンバレーのある会議でそういう意地悪な質問が出たとき、グローブは次のように答えた。
「そうだね……一部は自己研鑽だが、残りははっきり言ってハッタリだな。だがハッタリは現実になる。なぜなら、自分を奮い立たせ、楽観的にする効果があるからだ。自信ありげにふるまっていれば、ほんとうに自信がついてくるものでね。そのうちハッタリも、それほどハッタリとは言えなくなってくる」
グローブは、大見得を切ることの重要性をよく理解していたと言えよう。ハリエット・ルービンによれば「グローブは、有能でも内気なマネジャーにはオオカミ塾と呼ばれる強烈な研修への参加を義務づけていた。その研修では、上司につかみかからんばかりの勢いで議論をする訓練や、大声で提案を突きつける練習をする。生来おとなしい人も、オオカミらしくふるまわなければならない」という。