第３２６４冊目 家族のためのユマニチュード: “その人らしさ”を取り戻す、優しい認知症ケア イヴ・ジネスト (著), ロゼット・マレスッティ (著), 本田 美和子 (著)

家族のためのユマニチュード: “その人らしさ"を取り戻す、優しい認知症ケア

• 五感から得られる情報を矛盾させない

ケアを行うときには、「見る」「話す」「触れる」ことで私たちが相手に伝えているメッセージに矛盾がないかどうかに注意します。

たとえば、相手を正面から近く、長く見つめながら、ゆっくたりとした言葉で話しかけることは、これまで説明してきたように「あなたのことを大切に思って居ます」というメッセージを伝えています。しかし、同時に相手の手首を上からつかんでしまっては、「あなたの自由を私は奪ってします」というメッセージを送ることになってしまいます。つまり、自分が相手に対して発しているメッセージが矛盾してしまうわけです。これでは相手は混乱します。

自分が相手に発しているメッセージに矛盾がないことが、どんなケアを行うにあたっても大切なことです。