第3265冊目 家族のためのユマニチュード: “その人らしさ”を取り戻す、優しい認知症ケア  イヴ・ジネスト (著), ロゼット・マレスッティ (著), 本田 美和子 (著)


家族のためのユマニチュード: “その人らしさ

家族のためのユマニチュード: “その人らしさ"を取り戻す、優しい認知症ケア

  • 感情の固定「ともに過ごしたよい時間をふり返る」


ケアが終わるとほっとします。でも、そこですぐに立ち去るのではなく、「一緒に過ごして楽しかったね」と互いによい時間を過ごしたことを確認するステップに移ります。


これは友人宅に食事に招かれたときにたとえると、ごはんを済ませた後でゆっくりお茶を飲んでいる時間と考えてください。


「感情の固定」に必要な時間は40秒程度で充分です。


よい記憶を感情記憶に残すために


感情の固定のステップでは、今行ったケアがとても心地よく、よいものであったことを「感情記憶」に残します。


「記憶の仕組みと特徴」でお伝えしたように、感情に関する記憶は、そのほかの記憶よりももっと、ご本人が覚えていてくれます。


体を拭いたり、お風呂に入ったりしたケアが、「とても気持ちよかった」という「感情記憶」を残すことで、次回のケアをより肯定的に受け取ってもらえるようになります。


つまり、感情の固定の時間は次回のケアを成功させるための伏線になるのです。