第3260冊目 家族のためのユマニチュード: “その人らしさ”を取り戻す、優しい認知症ケア  イヴ・ジネスト (著), ロゼット・マレスコッティ (著), 本田 美和子 (著)


家族のためのユマニチュード: “その人らしさ

家族のためのユマニチュード: “その人らしさ"を取り戻す、優しい認知症ケア

  • 出会いの準備「来訪を告げる」


誰かが会いに来てくれるのは、誰にとってもうれしいことです。友人の家に招かれたときには、まずドアベルを鳴らして、返事を待ちます。ケアを行うときも同じです。まずは自分の来訪を告げ、あなたのプライベートな空間に私が入ってもいいですか、と了承を得るための手順をふみます。


会いに行くときは、必ずノック


具体的にはノックをします。日本家屋でふすまや障子のお部屋であっても、ノックをします。物をたたくことで生じる音は、聴力が低下している人にも聞き取りやすいという特徴があるからです。


3回ノックして、3秒待ちます。返事がなければ、再びノックをして3秒待ちます。


認知症の人の特徴として、物事の理解や判断に時間がかかるようになることがあります。つまり、ノックの音を聞いてから「あ、誰か来たのかな?」と思い、「どうぞ」と迎える準備をするまでに、以前より時間がかかるようになっている可能性があります。待つことも大切な技術ですのです。


返事があった場合はすぐに、返事がなかった場合は再びノックを3回行って様子を見た後で、部屋に入って行きます。