第3236冊目 家族のためのユマニチュード: “その人らしさ”を取り戻す、優しい認知症ケア  イヴ・ジネスト (著), ロゼット・マレスコッティ (著), 本田 美和子 (著)


家族のためのユマニチュード: “その人らしさ

家族のためのユマニチュード: “その人らしさ"を取り戻す、優しい認知症ケア

  • いつもの3倍話しかける


相手から言葉の返事はなくても、何らかの反応があればそれを相手からの言葉によらないメッセージとして受け止めてください。たとえば、ふーっと深呼吸をしたとか、体の筋肉がとてもリラックスしているとか、目が少し開いたとか、そんな細やかな変化も、相手からのとても大切なメッセージです。それに気がついたら、そのことを言葉で相手に伝えてください。「あ、深呼吸しましたね」「目を開けてくれてありがとう」というように。目安として、最初はいつもの3倍くらい話しかけるくらいの気持ちでやってみましょう。


また、自分で言葉を紡ぎ続ける工夫として、ユマニチュードでは「オートフィードバック」と呼んでいる技術を使います。人がケアをするときには、必ず動きが伴います。その動きをスポーツの実況中継のようにずっと言葉にし続けるのです。できるだけ穏やかに語り、前向きな言葉を選びます。このときもできるだけご本人が持っている力を奪わないように、できることは全部自分でやってもらうよう心がけます。