第3226冊目 負けてたまるか! 若者のための仕事論  丹羽 宇一郎 (著)


負けてたまるか! 若者のための仕事論 (朝日新書)

負けてたまるか! 若者のための仕事論 (朝日新書)

  • 一日三〇分の読書を続けてみよ


読書を太い幹に育てていくためには、まず習慣づける必要があります。私たちは毎日、食事をするでしょう。それは身体に栄養を与えるためです。同じように心にも栄養を与えなければいけません。図体だけ大きくなって心の栄養が足りなかったら、いつまも中学生と同じです。


そのため、私は伊藤忠の社員に「一日三〇分、毎日、本を読め」と言っています。しかし、なかなか実践できる人はいません。最初のうちは「よし、やってやろう」と思うかもしれませんが、多くの人は三日と続かないのです。酒を飲んで帰った、風邪をひいて熱がある、蹴つまずいて転んだ、奥さんとケンカした。いろいろと理由はあるでしょう。しかし一日読まなければ、明日もいいや、というふうになってしまいます。


私は酒を飲んだ後でも、必ず読書をします。もともと酒には強いタチで、それほど酔っ払わないこともあるのですが、しかしそれなりに飲む。出張に行っても一緒に行った社員たちは新幹線の中で皆、うたた寝していますが、私は最後まで本を読んでいます。「丹羽さん、すごいですね」と言われますが、こんなものはすごくとも何ともない。習慣になっているだけdせう。


一日三〇分は必ず読書をする。これを始めたのは会社に入ってすぐの頃だと思います。今では寝る前に読むことが多くなっています。というより、本を読まなければ寝られないのです。