第3224冊目 負けてたまるか! 若者のための仕事論  丹羽 宇一郎 (著)


負けてたまるか! 若者のための仕事論 (朝日新書)

負けてたまるか! 若者のための仕事論 (朝日新書)

  • 努力を努力と思わなくなる近道


努力を努力と思わないようになるには、それを好きになることが近道だと私は思います。川上哲治さんにしても王貞治さんにしても、あるいは石川遼君にしても、彼らは最初のうちは自分を叱咤激励して努力を続けていたかもしれませんが、ある段階からそれを脱却しているはずです。


彼らにとってみれば、それが好きだから続けてこられたのです。仕事というより、人生そのものと言ってもいいかもしれません。傍からみると、朝起きてすぐにトレーニングを始めたりして、「すごいな」と思うようなことでも、本人はそれを除いて自分の人生はないと思っているのですから、当たり前になってしまっている。もはや努力ではないのです。


そういう時期が、サラリーマンにも必要でしょう。そのときはおそらく、DNAのランプがついているときです。言い換えると、いやいや仕事をしていたり、人に言われたことをこなせばいいやと思っていたりしたら、永遠にランプはつきません。


したがって、まず自分の仕事を好きになることです。知らないうちに仕事に没頭している。あるいはこれ以外に自分の仕事はないんだと感じると、苦労は苦労でなくなります。それが大事なのです。