第3177冊目 一瞬で自分を変える法―世界No.1カリスマコーチが教える アンソニー ロビンズ (著), Anthony Robbins (原著), 本田 健 (翻訳)


一瞬で自分を変える法 (知的生きかた文庫)

一瞬で自分を変える法 (知的生きかた文庫)



悪習をキッパリ断つためのリフレーミング


悩みの種になっているイメージや経験をリフレーミングする練習をするものいい。


たとえば、癪にさわる人や出来事について考えてみよう。仕事から離れて帰宅しても、頭に浮かぶのは帰り際に上司から託された愚にもつかないプロジェクトのことだ。


気にしないでおこうと思うのだが、家に帰ってもイライラが募るばかり。子どもとテレビを見ていても、能なし上司と馬鹿馬鹿しいプロジェクトのことを考えると腹が立ってくる。


みじめな気持ちのまま週末をだいなしにするよりは、少しでも気分が晴れるように、意識を変えるべきだ。


最初は、自分をそこから切り離してしまおう。上司の姿を思い浮かべ、そのイメージを自分の手で持ち、へんちくりんなメガネとちょび髭をつける。
アニメのキャラクターのようなおかしなキーキー声で、君の助けがどうしても必要だ、頼まれてくれてと、あなたに懇願するのが聞こえる。けっこうかわいいもんじゃないか。


これだけ遊ぶと、実は上司もかなりストレスを感じていて、あなたに頼むのを夕方まで忘れていたかもしれないと思えるようになる。自分にも、他の人に同じようなことをした覚えがある。こんなことで週末をだいなしにするなんて、それだけの価値があることなのか、よく考えたほうがいい。


私は決して、こういう問題が非現実的なものだと言っているわけではない。失業するわけにはいかないし、仕事をするなら、連絡は密に取らなければならない。


だが、そのような時でも、問題に正面から取り組むならいいが、得体の知れない憂鬱感にとりつかれ、家族にいやな思いを伝染させてはいけない。


何度か練習して、うまくできるようになると、面と向かって上司の顔を見ても、へんちくりんなメガネとちょび髭が見えるようになり、話し方も違って聞こえる。


そうなると、上司のほうもあなたに対して違った印象を持ち、今までの力関係がくずれ、受け答えも変わってくるはずだ。


私はこうしたやり方で、いつでも重大な問題に対処したり、否定的な感情を解消したりしている。中でも、一番効果的なのは、劇的にいるところを思い描くやり方だ。


問題の経験を映画のようにスクリーンに映し出してみる。最初はおもしろおかしく早送りで見る。BGMはサーカスの陽気な音楽がいい。


次は、巻き戻しをしながら見る。反対向きに動くところは実に馬鹿馬鹿しい。このやり方を身につけると、今までに心に重くのしかかっていた出来事が、だんだんどうでもいいことに思えてくるだろう。