第3161冊目 FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 ジョー ナヴァロ (著), マーヴィン カーリンズ (著), 西田 美緒子 (翻訳)
- 作者: ジョーナヴァロ,マーヴィンカーリンズ,西田美緒子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2012/12/05
- メディア: 文庫
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- 祈りを込める姿勢
両手を前方に伸ばして手のひらを上に向けた姿勢を、祈りを込める姿勢と呼ぶ。祈る人は手のひらを天の神に向けて慈悲を乞う。同様に、捕らえられた兵士は捕らえた人に近付くとき、手のひらを上に向ける。この行動は、言っていることを両手に信じてほしいと考えている人でも見られる。話し合いの席では、相手をよく観察してみよう。相手が断定的な発言をしたとき、手のひらを上に向けている下に向けているかに注目する。取り上げている話題に寄せている関心が両者同じ程度の、普通の会話なら、手のひらを上に向けていることも下に向けていることもあるだろう。
ところが、ある人が熱心に、はっきり宣言している場合には、たとえば「信じてください、私は殺してなんかいません」と言い張っているようなとき、手のひらは下を向いているはずだ。手のひらを上に向けてそう言っているなら、その人は信じてほしいと哀願しているので、私ならその言葉はとても疑わしいと思ってしまう。すべてがそうとは限らないものの、手のひらを上に向けて言い張る言葉を、私は疑うようにしている。この姿勢はあまり積極的な気持ちを表しているものではなく、信じてほしいと願うものだ。本当のことを話しているなら、信じてほしいと嘆願する必要はない。ただ主張をし、その主張は揺るがない。