第3156冊目 FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 ジョー ナヴァロ (著),‎ マーヴィン カーリンズ (著),‎ 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

  • 対話での不快のサイン


自身の身に起こっていることが快適ではないとき、見たり聞いたりしていることが快適ではないとき、または隠しておきたいことを無理に話さなければならないとき、人は不快感を示す。不快感は大脳辺縁系を覚醒させるので、まずは生理機能に現れる。心拍数が上がり、髪の毛が逆立ち、汗が噴き出し、呼吸が速まる。そして思考を必要としない反射的な生理機能の反応の次に、私たちの体がノンバーバルに不快感を表し始める。脅えたり、イライラしたり、特に不快を感じたりすれば、身を守るか遠ざかるために体を動かしたり、姿勢を変え、足を揺らし、腰から上をひねり、指を机でたたく。このような不快感の行動が相手に現れれば、就職の面接でも、デートでも、職場や家庭で重大問題がついて質問しているときでも、すぐにわかるだろう。ただし、これらの行動はそのままウソを表しているわけではないことを示しているので、それにはさまざまな、いくつもの理由が考えられる。


ウソの可能性を示唆する不快感を観察したいなら、自分と観察や面接の相手との間にもの(テーブル、机、椅子など)を置かないのが一番望ましい。私たちは特に正直な足と脚に注目しているので、もし相手が机やテーブルの向こうが側にいるのなら、机やテーブルを動かすか、ない場所に移動する。そのような障害物があると、観察するべき体の表面の大半(およそ八〇パーセント)が隠されてしまうことになる。実際には、ウソをついている人が障害物やもの(机や飲み物のグラス、椅子など)を使って、こちらとの間に壁を作らないかどうかも観察する。ものを使うのは、その人が遠ざかりたい、離れたい、一部を隠したいと考えているからで、心をすべて開いていないことを示している――それには不快感が伴い、ウソが理由になっていることもある。