第3154冊目 FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 ジョー ナヴァロ (著),‎ マーヴィン カーリンズ (著),‎ 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

  • 快適さのサイン


家族や友人との会話なら、快適かどうかはすぐにはっきりする。みんなでいっしょにいて楽しく快適であれば、それを感じとることができる。同じテーブルについているとき、互いに快適さを感じる人は、視界を遮るものがないように間にものを置かない。時間がたつにつれてだんだん近付き、あまり大声で話さなくてもすむようになっていく。快適さを感じている人は体を隠す姿勢をやめ、胴体の多くの部分や、胸と脚の内側を見せるようになる(体の前側を相手にさらす)。見知らぬ人がいる場では、快適な気持ちになるのは難しくなり、正式な面接や宣誓証言のようなストレスの多い状況では特に難しい。そのため、人との関わりの一番最初から、快適ゾーンを作りあげるようにベストを尽くすことが重要だ。


快適な気持ちでいれば、ノンバーバル行動に同調性が生まれる。心地よい二人の呼吸は同じリズムに近付き、話のトーンとピッチ、全体的な姿勢も似てくる。カフェで寄り添って、心から快適そうに座っているカップルを思い浮かべてみよう。一方が寄り添えば、もう一方もそれに従い、模倣行動として知られる現象が生まれる。立ち話をしている二人の場合、一方が手をポケットに入れて脚を交差させ、体を傾けると、もう一方も同じ姿勢をとるようになるだろう。相手の行動を模倣することによって、私たちは無意識のうちに「あなたといっしょにいて快適です」と語っている。