第3114冊目 FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 ジョー ナヴァロ (著),‎ マーヴィン カーリンズ (著),‎ 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

  • 必要な空間


自分が人にどんな第一印象を与えているのか、考えてみたことはないだろうか? 相手は最初からこちらに好意をもってくれるのか、それとも難しい問題が起こりそうなのか? これを見分ける方法のひとつに、「揺さぶりをかけて待つ」アプローチがある。どんな方法が説明しよう。


足と脚の行動は、初対面の人を観察するには特に大切だ。相手が自分のことをどう感じているかについて、いろいろなことを伝えてくれる。私の場合、初対面の人に会うときには、まず身を乗り出し、心をこめて握手をしてから、目をしっかり見つめ、その後で一歩下がって様子を見る。この後、三種類の反応のうちどれかが起こるだろう。(a)相手がその場にとどまる――その人はその距離を快適に感じていることがわかる、(b)相手が一歩下がるか、少し身を引く――その人にはもっと空間が必要か、どこかほかの場所に行きたがっていることがわかる、(c)相手が私のほうに一歩近づいてくる――その人は私といることを心地よく感じているか、私に好意をもっている、またはその両方であることがわかる。別に相手の行動に腹を立てたりはしない。私はただその機会を利用して、相手が自分のことを本心でどう感じているかを見極めているだけだからだ。


足は体の中で最も正直な部分であることを思い出してほしい。相手がもっと空間を必要としているなら、私はそれを与える。相手が心地よく感じているなら、近さの問題を気にせずにすむ。相手が私のほうに近づいてきてくれるなら、もっと近いほうが心地よいのだとわかる。これはどんな状況でも役立つ情報だが、自分にとってはどれだけの空間が快適なのか、限界を認識しておくことも忘れないように。