第3096冊目 FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著),‎ トニ・シアラ・ポインター (著),‎ 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

  • 礼儀は強力なノンバーバル


礼儀がどれだけ強力かを知りたければ、ひどい礼儀知らずといっしょに、またはその部下として、働いてみるといい。話に割りこんでくる、「お願いします」や「ありがとう」を言わない、「ごめんなさい」という言葉を知らない、重い荷物を運んだりドアを開けようとしたりコートを着ようとしたりしている人に手を貸さない、口を開けたままで食べ物を嚙む、テーブルで歯につまった食べカスを取る、そのほかの数えきれないほどの心ない行動をとる人たちだ。エチケットはよく言っても堅苦しいし悪く言えば時代遅れだなどと、誤った評価を受けている。それは大間違いもいいところだ。エチケットとは、根本的に、人を快適にする技のことを言う。自分のまわりで起こっていることに気を配り――これをFBIでは状況認識と表現する――自分の行動がまわりの人にどう影響するかを考えるのが、エチケットだ。特に今日のように多様性に富んだ社会では、日常生活でも仕事でも文化的、社会的基盤がわからない人たちと接する機会が多いから、根本的な意味での礼儀が最も重要になる。儀礼上のしきたりを意味する「プロコトル」という語の語源に、ギリシャ語のkolla(にわか)という語が含まれているのは驚くにあたらない。礼儀とは、実際には、多様なグループをまとめてつなげておく接着剤のことなのだ。エチケットの本はたくさんあり、エチケットの大半はノンバーバルだ。一番いいと思える本を選んで、勉強してみてほしい。きっと今まで知らなかったことを学べる。私もそうやって学んできた。