第3095冊目 FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著),‎ トニ・シアラ・ポインター (著),‎ 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

  • 習慣の力


習慣はさまざまなことを伝える力をもち、私たちの習慣のほとんどがノンバーバルだ。こんなふうに考えたことはないかもしれないが、あなたがすることはすべて、人から見られている。仕事上の習慣(いつ職場に到着し、いつ昼食を食べ、どれくらい時間をかけ、何時に帰るか、など)は、すぐに周囲の人たちに記憶される。


私が担当しているある会社は家族経営で、父親が創業し、長男がそのあとを継いでいた。やがてその弟たちも次々に入社したが、問題が起きた。弟のひとりが、何をやってもとがめられないと思ってしまったらしく、遅れて出社し、仕事も怠けるようになったのだ。長男が私にこう言った。「弟が遅刻すると、士気にかかわります。なぜならほかの社員たちが、「あの人あ自分に割り当てられた仕事をしていないのに、なぜみんなと同じ給料をもらえるのか」と思いますからね。弟を会社に入れたとき、きちんと言っておかなかったのを後悔しています。「わかっているか、私はおまえの兄だが、何よりもまずこの会社の社長で、私たちはこの会社を経営していかなければならない。これは遠足でも、クラブ活動でもない、会社なのだ」と」。


社員たちは会社で起こるあらゆる出来事に、とても敏感だということを忘れてはならない。習慣的に遅刻する人やいつも早退する人がいれば、みんなにわかる。それはいつのまにか会社の状態を悪くする。


あまりにも頻繁にタバコを吸いに出る人やコーヒーブレイクが多すぎる人、いつもあちこちのデスクに出向いておしゃべりしたがる人は、全員に知られている。そういう人たちに初めて会ったときには、人当たりのよさが心地よく感じられるかもしれないが、自分も同じ類だと見られてしまうだろう。オフィスをあちこち動き回るのは、「私事だが、給料を払ってくれる会社よりも大事」と言っているノンバーバルになる。


組織の中でしていることはすべて注目され、たぶん自分の知らないところで話題になっている。時間を無駄にする、遅刻する、与えられた仕事を終わらせない、言い訳をする、大変な仕事を避ける、電話で友人とおしゃべりする、いちゃいちゃするなどの習慣がある人は、やがてそれが原因で身を滅ぼすことになると自覚したほうがいい。