第3045冊目 人の印象は3メートルと30秒で決まる―自己演出で作るパーソナルブランド 江木 園貴 (著)


  • 褒め上手になる


私は昔から母の教えで、「人のいいところを3つ探す」ことを常に心がけてきました。見た瞬間には人の性格まではわかりませんが、初対面30秒で、とにかく相手の好きなところを見つけるのです。


しっかり磨かれた靴を見て、「清潔感のある人だな」とか「細かなところまで気配りができる人だ」と判断したり、大きくて低い声の持ち主には、「器が備わっているのだな」と判断したり、流行のファッションを身につけている人には「いろんなアンテナを張って先端を行く人」と判断するわけです。


もちろん、実際の姿はそうではないこともあるでしょう。しかし、あえて自分から「好きなところ=好印象」を持つことで、一緒にいることが楽しくなるのです。たとえば第一印象でマイナス面が目立ったとしても、あえていいところを3つ挙げることで、空間を共有することが苦痛ではなくなります。


このことを応用して、ふだん接している取引先や社内の人にも、その人のよいところを3つ探してみてください。それを口にして相手に伝えれば、さらに共有する空間は心地よいものとなります。例えば、「いつも素敵なネクタイをしていますよね」とか「いつも電話の対応が気持ちよいですよね」といった言葉です。


男性も女性も褒められて不快感を覚える人はいません。日本人は相手を褒めることに対して口下手な人が多いですが、好感を素直に伝えることは恥ずかしいことではありません。


人の3つのいいところは、まず外見から1つ、内面・性格から1つ、尊敬できるような分野から1つと考えていけば、必ず見つかります。いいところを見つければ、自分もまねしようと思う発見があったり、相手の得意な分野に比べて、自分が得意な分野はこちらだと自己認識できたりするのです。