第3033冊目 心を上手に透視する方法 トルステン・ハーフェナー (著),‎ 福原美穂子 (翻訳)


心を上手に透視する方法

心を上手に透視する方法


「〜して」という表現が、二つの文を結びつける。ごく簡単なことだ。指示したいことを一つ決めて、「〜して」の表現を使って、もう一つ指示をつけ加える。


つまりこの魔法のフレーズは「指示・〜して・指示」となる。言われた人は、多めの情報を受け取り、処理することになる。


一つの指示に対して「嫌です」と断るのは、二つの指示を断るよりも簡単だ。しかし、一度に二つの指示を与えられると、相手はどちらの指示を先に断ればいいのかがわからなくなり、結局は両方の指示に従ってしまうのだ!


この作戦のすばらしいところは、あなたが相手に影響を与えていることに、相手がまったく気づかないことだ。これは、日常のさまざまな場面で使うことができる。

  • 「二階へ行って、部屋を片づけなさい!」
  • 「私のほうを見て、何か言って!」
  • 「こっちへきて、私にキスして!」
  • 「議事録を書いて、それを私にメールしてください」
  • 「私たちに電話をかけて、質問してください」
  • 「電話を手にとって、私たちに電話をかけてください」


この魔法のフレーズがいとも簡単に、またいろいろな場面で使えることがおわかりいただけるだろう。


もちろんこれを使ったからといって、誰かをあなたに服従させることはできない。二つの指示のうち一つでも、相手の意に反したものだったから、相手はどちらの指示にも従わないだろう。僕自身、いまだに「二階へ行って、部屋を片づけなさい!」という指示を仕方を、家で練習しているところだ。


ちなみにこのような文を、確信に満ちた有無を言わせぬ態度で言えば言うほど、相手は言うことを聞いてくれるだろう。自信をもって、相手をまっすぐに見よう。このテクニックが驚くほど頻繁に使えるということを実感するだろう。