第3027冊目 心を上手に透視する方法 トルステン・ハーフェナー (著),‎ 福原美穂子 (翻訳)


心を上手に透視する方法

心を上手に透視する方法

  • 「足」の意識の方向を示す手がかり


私たちは誰でも、私たちの内面をもっとも表しているのは表情だと思っている。だからこそ、自分の表情をコントロールしようと思うのかもしれない。これはうまくできることが多い。


ところが、相手の表情を観察するだけで相手のことがよくわかること思ったら、的外れのことがある。私たちは、自分の表情ほどは自分の姿勢に注意を払っていない。だから大まかな法則として言えることは、頭から遠い身体の部位ほど、そこに表れるヒントが信頼できるということだ。


たとえば足がそうだ。足は、その人がどの方向に注意を向けているのかを表している。


相手が会話に積極的か消極的かを知りたければ、足をちらりと見てみるといい。考えが相手にはっきりとわかってしまうのを避けるために手を動かそうとしない人も、それが足に表れていることがある。


たとえば何か納得していないときや、会話を終えたいと思っているとき、できることなら指でテーブルをトントン叩きたいときがあるとする。それを足で行うとすれば、足を揺するという動作が表れる。つまり「私はこの場を去ることができないが、足を揺することで、同じような動作をほのめかすことができる。このようにしてその場をとりつくろっている」ということだ。




誰かがあなたの目の前に立っていて、相手があなたのことにきちんと意識を向けていたら、相手の足のつま先は、あなたのほうを向いている。仮にあなたが話題に変えたとき、相手の片方の足のつま先(または両方のつま先のこともある)が、あなたとは違う方向に向いたら、相手がその足の向いている方向に、あなたから離れたいと思っているかもしれない。


エネルギーは注意を向けたほうに行く、ということを思い出してほしい。ある方向に注意を向けただけで、無意識に身体もその方向に向くのだ。このような無意識の動きが、足のつま先から見て取れることがじつに多い。