第3023冊目 心を上手に透視する方法 トルステン・ハーフェナー (著),‎ 福原美穂子 (翻訳)


心を上手に透視する方法

心を上手に透視する方法

  • 「つくり笑い」かどうかは、持続時間と目をみればいい


さらに、唇をかむという動作もある。上下の前歯で上下どちらかの唇をかむときと、上下の唇両方を口の内側に折り込んでかむときとがある。


どちらにせよ、自分から言葉を発しないようにしている。言いたくない言葉が口からこぼれ落ちてしまう前に、唇を閉ざすのだ。これは「私は意識してコントロールし、何も言わないようにする」というサインだ。


また、自信のなさを表すこともある。つまり、何かを言いたいのか、やはり言いたくないのかが自分でもよくわからず、とりあえず黙っておくことにしたのかもしれない。


微笑みもさまざまな意味をもつので、よく観察すれば解釈が可能だ。


微笑むときは、唇の両端を上に上げるかが、それだけではない。微笑みはじつに多くの意味を持っている。


注意してほしいのは、通常、心からの微笑みは、つくり笑いよりも持続時間が長いことだ。本物の微笑とは違い、つくった微笑みは不意に終わる。本物の笑みは、自然と消えていく。作り笑いは唇だけで行われるが、心底からの笑いや、正直で心のこもった微笑みの場合は、目も一緒に微笑んでいる。これは目じりの小さなしわでわかる。


本当に笑うときは、両側の眉が軽く下がる。一方、つくった微笑みは、顔のどちらかが半分やや引きつっている。だからゆがんだ微笑みは、たいてい不正直な微笑だ。


そもそも、笑いというのは多くの側面をもち、笑いを観察することで、重要なヒントを得られる。