第３０２２冊目　心を上手に透視する方法トルステン・ハーフェナー (著),‎ 福原美穂子 (翻訳)

数年前まで、僕はレストランなどと定期的な契約をして、たいてい十名ほどの少人数グループのためにショーを行っていた。僕はお客様のテーブルまで行って直接話をし、リラックスした雰囲気になるよう心がけた。

そのときとても大事だったのは、毎回、各グループのテーブルを回って、相手に対してきちんと反応することだった。お互いの距離がそれだけ近いと、大きな関心を示す人、また疑いを隠さない人にも何度も出会った。

そういうとき、僕はよく、前章で説明したような作戦を用いた。その人の外見を細かく分析し、その人のタイプがはっきりとわかるようなヒントをそれとなく探した。そして僕がこう反応すると、いつでも肯定的な反応があった。

「あなたはまったく信じていらっしゃいませんね。でもそれはみずがめ座の人ならよくあることです！」

もちろん相手によって星座は変える。相手はそれを聞くととてもびっくりする。

どうやって星座がわかったのか？　答えはごく単純だ。相手は、自分の星座をデザインしたネックレスをつけていたのだ。つけている本人は、もうずっとつけているから、どんなデザインのネックレスをしているかをすっかり忘れている。

おもしろかったのは、なぜ自分の星座がわかったのか、ほかの人から言われるまで相手がまったく気がつかなかったことだ。僕はその間、愛想のいい笑みを浮かべていた。そうするとほとんどの場合、僕を信用していなかった人を味方につけることができた。

このトリックを一度試してみてほしい。どれだけみんながびっくりするか、あなた自身が体験するだろう。