第3009冊目 パーソナル・インパクト 「印象」を演出する、最強のプレゼン術 マーティン・ニューマン (著), 小西あおい(著)


パーソナル・インパクト 「印象」を演出する、最強のプレゼン術

パーソナル・インパクト 「印象」を演出する、最強のプレゼン術


プレゼンテーションについては、アメリカ合衆国が最先進国だと思いますが、まさにアメリカの政治家はそういうテクニックを使っています。


ビル・クリントン元大統領は、他の追随を許さないくらい才能あるプレゼンターなのですが、彼はスピーチで登壇するとき、ステージの端から出てきません。どこから登場するかといえば、会場の人の前から、笑顔で、握手、ハグをしながら出てくるのです。


そのアクションによって、聴衆がまだ何も聞いていない段階から、「この人はフレンドリーだ」「仲間なんだ」という印象を与えているのです。


クリントン以外のアメリカの政治家たちもよくやるのですが、部屋に入ってきたら必ず、通路近くの聴衆には握手やハグを、そして遠くのほうにいる見ず知らずの人数名を指差して、彼らに手を振ります。それは、その場で初めて会った人であっても、旧知の友に向けてするように笑顔で手をふるのです。


会場の大聴衆、1000人のほうに向かって、全体的に手をふるのではなく、あえて数名を選んで手を振ることで、その人と緊密なコミュニケーションをとり、会話がゼロでもボディアクションでコミュニケーションをとっているのです。


そうすることで少なくとも、その数人とはコミュニケーションが成立します。その少人数に対する気持ちを1000人に拡大すればいいのです。逆に大聴衆と話している間も、その数人に向けて話をしているような気持ちでいればいいのです。