第2992目 パーソナル・インパクト 「印象」を演出する、最強のプレゼン術 マーティン・ニューマン (著), 小西あおい (著)


パーソナル・インパクト 「印象」を演出する、最強のプレゼン術

パーソナル・インパクト 「印象」を演出する、最強のプレゼン術


顔の動きも見た目のコントロールなので、絵(=表情)と内容を合わせてやることが重要です。当然と言えば当然ですが、もしあなたがフレンドリーな人間に思わせたければ、笑顔が大事です。しかし、今まで指導してきたほとんどの方は、私が「笑顔」で言うと、怖い顔をして「わかっている」と言います(笑)。


「笑顔」についてこんなエピソードがあります。ロシアの有名なアスリート、アレクサンドル・ポポフ。彼はオリンピックが合計4個の金メダルを取った元水泳選手です。彼は体格もいいし、かっこいいし、有名人でもあります。


彼とトレーニングをしていたときのことです。スピーチを撮ったビデオを再生しながら、感想を聞かれたので、「いいと思うけど、本当に笑顔がないね」と話しました。彼自身、「確かにそうですよね」と理解していきました。しかし、何回チャレンジしても結果はまったく同じでした。彼は頭ではわかっていても、どうしても笑顔ができないのです。


その理由は実に明らかです。笑顔とは、「ある物事に対しての筋肉の反応」だからです。誰かが笑えば、その場にいる人は、申し訳程度に笑うお追従笑いなども含めて、笑顔で反応します。


人と人とのコミュニケーションとは、誰かから投げかけられたものに対する「反応」です。ニコっと笑顔を投げかけられたら、笑顔を返す習性が人間にはあります。自分が笑顔を投げかければ、相手は笑わなければなくなります。笑顔に対して無表情にいることは、非常に失礼だし、不自然です。こういうキャッチボールを繰り返して、あたたかい関係は築かれていくゆくのです。これは無言のルールなのです。