第2987目 パーソナル・インパクト 「印象」を演出する、最強のプレゼン術 マーティン・ニューマン (著), 小西あおい (著)
パーソナル・インパクト 「印象」を演出する、最強のプレゼン術
- 作者: マーティン・ニューマン,小西あおい
- 出版社/メーカー: ソル・メディア
- 発売日: 2014/02/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- スピーチの原則「大事なことは2回言う」
また、大人が子どもに新しい言葉を教えるときには、「え・ん・ぴ・つ。これ、えんぴつよ」というように、言葉を音節で分けて発音したのち、同じ言葉を繰り返すことを私たちは自然にやっています。
今回も、それと同様に、再度「おもてなし」を繰り返すことで、聴衆に新しい言葉を覚えてもらいました。「大事な言葉は2回言う」のがスピーチの原則なのです。
一度だけでは聞き流されてしまう危険性がある場合、その言葉を印象づけるために、あえて2回言う必要があるのです。
また、大人が子どもに新しい言葉を教えるとき、音節で切ったままでは、正しい発音にならないので、必ず最後に「これは、え・ん・ぴ・つ。えんぴつ」とリピートします。
それと同じように、「おもてなし」という言葉を覚えてもらうのが、2回目を繰り返した理由です。
「2回言うこと」の重要性を、私は1970年代に行われた実験で裏付けすることができると考えます。
その実験は、まず赤とオレンジの色を被験者に見せ、単純に「赤かオレンジか」を答えさせていくものでした。ランダムに選らんだ被験者に半分ずつ赤とオレンジを見せたところ、当然半分ずつの答えが返ってきました。
そこで再度、同じ人たちに同じサンプルを見せ、「もし赤かオレンジかわからないときには、必ずオレンジと答えてください」と説明したところ、半分ずつ見せているにもかかわらず、約8割がオレンジと答えました。これは「オレンジ」という単語が設問に2回出てきたために、強く印象づけられた結果なのです。
この実験からも「繰り返して言うこと」の強い影響力が裏づけられています。