第2958目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

  • 称賛する


デール・カーネギーが今や古典となった「人を動かす」を書いたのは1936年のこと。彼が提唱した指針の多くは言い古された感もあるが、いくつかの基本原則は健在だ。とくに、称賛に関する言葉は現代にも当てはまる。「私たちは正直な称賛を切望している。これは人間の本能をつねに苦しめる餓えだ。この飢えを満たせる人は一握りしかないが、それができる人は人々を意のままにする」


この考察は科学によって裏づけられている。人は称賛に対して驚くほど敏感だ。カリフォルニア工科大学などで研究している出馬圭世が行った実験では、コンピュータに「よくできました」と褒められると、脳の中で想定外の金銭的報酬に反応する場合と同じ部位が活動する。


最も効果的で信用できる称賛は、個人的かつ具体的な称賛だ。「いい仕事だ」ではなく「あなたはいい仕事をした」。さらには「クラインとが不愉快そうにしたときも、あなたが冷静だったのは素晴らしい」と褒める。


より多くの称賛を伝え、相手があなたに与えた影響を説明すれば、相手はあなたに好意を持ち、あなたの成功に自分が貢献したと感じるだろう。あなたのために自分の行為を正当化するのだ。さらに、ある意味で自分が今のあなたを育てたと感じる。この「当事者意識」が、あなたの成功に対する既得権を彼らに与え、彼らは自分とあなたを同一化する。したがって、あなたの成功に対する責任もより強く感じるだろう。