第2947目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

  • パーソナルスペース


行動経済学者は共同浴場で、誰がどの蛇口を選ぶかを正確に予測できる。蛇口がふさがっている場所に合わせて、人は特定のパターンに従うものだ。パーソナルスペース(他人に近づかれると不快に感じる範囲)を忠実に守ろうとする意識はとても強く、バーチャルリアリティーのゲームで遊んでいるときお、現実社会のパーソナルスペースのルールに従うほどだ。


パーソナルスペースの概念は、20世紀半ばに動物園で飼育されている動物の行動の研究から生まれた。動物が自分の領域を定義して守るのと同じように、私たち人間は自分の周りの空間に「所有権」があると考える。この領域は、たとえわずか数センチでも自分の肉体の延長のように感じる。私たちはこの空間を守るための行動を取り、侵入されると強く反応する。


カリスマのある人は、一緒にいる人を心地よく安心させ、自信を持たせる。非言語コミュニケーションで相手を安心させて信頼関係を築くために重要なのは、安心できるパーソナルスペースを尊重することだ。他人のパーソナルスペースを尊重しないと、彼らの不快感はかなり高まり、その感情をあなたと結びつけかねない。