第2929目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

  • 第一印象の黄金律


では、素晴らしい第一印象を与えるにはどうすればいいか。その大前提はきわめてシンプルで、人は自分を好きな人を好きになるというものだ。人類はその歴史の大半を通じて、村落で暮らしてきた。村落を中心とする社会では、同じ村落の人間かどうかを正確に判断する能力が生死を分けることもあった。この本能的な反応を自分の有利に使うことができれば、生存競争に半分勝ったも同然だった。


外見や態度、話し方が自分と似ていれば、私たちは似たような社会的背景や教育、価値観を共有していると自動的に推測する。そして、同じ部族の仲間だと感じる。ラドヤード・キップリングの「ジャングル・ブック」によれば、「おまえと私は同じ血」だ。


最初に注目するのは全体的な外見で、その後に態度やボディランゲージを判断する。その理由は、服装はかなり遠くから見えるため、相手が敵か味方か、同じ部族かそうでないかを素早く判断しやすいからだろう。現代でも、服装はいわざ部族の制服のようなものだ。