第2926目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

  • カリスマ的な第一印象


第一印象にリベンジのチャンスはない。ほんの数秒、ちらりと見ただけで、人はあなたの社会的レベルや経済的レベル、教育レベルを判断し、成功のレベルさえ推測する。さらに数分あれば、知性や信頼性、有能さ、親しみやすさ、自信のレベルも判断する。これらの評価は、決まるのは一瞬だが、何年も続くときもある。第一印象は消せないものだ。


では、悪い第一印象を克服することは可能だろうか。もちろん、可能だ。何回か会ううちに、相手が最初にあなたに抱いた感じを帰られることもある。とはいえ、最初からカリスマを発揮していた場合より、はるかに努力が必要なのだが。


一瞬の印象が、どうしてそれほど長く続くのだろうか。理由のひとつは、経済学者のジョン・ケネス・ガルブレイスによると、「自分の考えを変えるか、あるいは変える必要はないことを証明するかという選択を迫られると、ほぼすべての人が自分の考えを立証することに励む」からだ。


行動科学の研究でも、ガルブレイスの見方を裏づけている。私たちは誰かについてある判断を下したら、その人と交際を続けながらずっと、自分の判断が正しいことを証明しようとする。見ることも聞くこともすべて、第一印象のフィルターを通しているのだ。