第2903目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)


善意とは、他人に幸せを願うことだ。これは訓練で強化できる「心の筋肉」でもある。善意の筋肉は、衰えても鍛えれば回復する。ワイズマン研究所がfMRI(機能的磁気共鳴断層画像)を使った最近の研究によると、前向きの精神状態に対応する脳の回路は、訓練を通じて「劇的に変化」する。楽器を練習し、スポーツで上達するのと同じように、前向きの精神状態は練習して身につけることができるのだ。


善意にふさわしい精神状態を身につけるために、簡単だが効果的な方法から始めてみよう。まず、自分が善意を示したい人について、好きなところを3つ挙げる。いま話をしている相手が誰であれ、褒めたいところを3つ考えよう。「靴がきれいに磨いてある」「時間通りに到着した」など、小さなことでもかまわない。良い要素を探しはじめると、精神状態も前向きに変わり、その変化がぼでぃ全体に反映される。


続いて、もう少し本格的な善意のエクササイズをいくつか紹介する。すぐに効果を感じる人もいれば、しっくりこない人もいるだろう。効果がないという人も、のちほど試してほしいエクササイズがある。


まず、天使の羽のイメージトレーニングだ。これは神経科学者のブリヴァヒニ・ブラドゥ博士が考案した。誠意と幸福感を発散しているカリスマ性の高い人で、私はかねてから慕っている。そんな彼女がある秘密を教えてくれた――自分が話している相手や、自分の周りにいる全員が、目に見えない天使の羽を持っていると想像するといい。


このいめーは、人に対する見方を変える。ほんの一瞬でも、誰かのことを本当はいい人だと見ることができれば、相手に対する感情が和らいで温かくなり、あなたのボディランゲージが根本から変わる。さっそく挑戦してみよう。散歩をしながら、車を運転しながら、周りの人が天使の羽を持っていると想像する。自分にも羽があると想像するのも効果がある。あなたも含めて全員が天使のチームで、一丸となってあなたのために働いているのだ。私のコーチングの倉アインとの多くが、(冷徹でシニアエグゼクティブたちも)、このイメージトレーニングが驚異的な効果をもたらしたと語っている。天使の羽を想像するとすぐに、心のより深いところからプレゼンスと誠意が湧き起こるという。実際、彼らのボディランゲージが伝えるプレゼンスと誠意が大幅に増えたことは、私も見ていてわかった。