第2902目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)


  • 善意と思いやり


目の前にいる人のためを、心から思ったことはあるだろうか。そのときどんな感覚だっただろうか。おそらく心地よい温かさを感じただろう。善意を示すことは、真心を伝えるためにも、相手の心に温かさを生むためにも、とても効果的な方法だ。誰かの幸せを心から願うと、その人とより強い結びつきを感じ、その思いがあなたの顔に表れ、あなたは誠意と真心のある人だと思われ、あなたのカリスマが一気に高まる。


日常の人間関係で善意を意識すると、たちどころに温もりと優しさと思いやりと共感がボディランゲージに吹き込まれる。いずれも、まさにカリスマ的な資質だ。


カリスマがあふれるビル・クリントン元米国大統領に会ったことのある人は、よくこんなふうに言う。「彼といると、自分が彼にとって世界でいちばん大切な人だと思えてくる」。私は、善意を示す精神状態になるといつも、人とのやりとりに変化を感じる。相手がすぐに打ち解け、私により好意を示しているように思えるのだ。


善意を持つと、自分の気持ちも上向きになる。オキシトシンセロトニンという気分を良くするホルモンが全身を駆けめぐるからだ。さらに、人とのやりとりを成功させなければいけないという義務感が薄れる。善意を伝えることが第一の目的になり、結果を求める重圧が和らぐのだ。物事をある方向に進めようと、必死に奮闘しなくていい。そして、目の前のやりとりの結果をあまり心配しなくなるから、カリスマ的な自信をより強く感じ、発散することができる。