第2898冊目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

  • 感謝、善意、思いやり


誠意は、カリスマ的な振る舞いのカギとなる要素のひとつだ。誠意のある人は周囲に好かれ、信頼され、協力したいと思わせる。しかし残念ながら、多くの人にとって、誠意はわかりにくく、自然と身につくものではない。私のクライアントの多くも、コーチングの初回に、誠意がどういうものだろうか」と、不安を感じる人も少なくない。しかし安心してほしい。思いやりのない人などいないし、誠意をうまく伝えることは誰でも学べる。


とはいえ、誠意を示すことは簡単ではない。その理由はさまざまだ。家庭の教育や子供時代の経験、現在の環境、あるいは性格も関係があるだろう。私自身も、今の仕事を始めたころは、もちろん自然と身についていたわけではない。そこで私は、これから紹介するツールをすべて活用して経験を積んだ。次の3つのステップで、誠意のレベルを段階的に上げていこう。


第1のステップは、日々の生活全般を、とくに自分の個人的な環境に、誠意を持って取り組むこと。これは広い意味で感謝の心を持つことでもある。感謝、他人と直接交わることが必ずしも得意ではないという人にとって、大きな武器となる。感謝の心があれば、人と距離を保ちながらカリスマ的な誠意を示せるからだ。


第2のステップは、他人に誠意を示すこと。いわば、善意や利他主義、思いやり、共感だ。


第3のステップは、自分に誠意を示すこと。これは多くの人にとって最も居心地の悪さを感じるタイプの誠意だろうが、最近の心理学では、セルフ・今パッション(自己への思いやり)が心身にもたらす効果が注目されている。


これらのステップは、いずれもカリスマ性を大いに高める。自然にできそうなものも、ぎこちなさを感じるのも、できるだけすべて練習しよう。