第2891冊目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

  • カリスマは気持ちから2


精神状態が非カリスマ的なら、どんな努力や意志力でも埋め合わせることはできない。心の奥底の考えや感情が外面に表れるのは、時間の問題だ。一方で、精神状態がカリスマ的なら、ふさわしいボディランゲージが自然と流れ出るだろう。そこで、まず、カリスマ的なボディランゲージと振る舞いを生み出すような心の状態を高めるところから始めよう。


まず、カリスマ的な心の状態とはどのようなものか、どうすればそのような状態になれるか、そのような状態を完全に自分のものにするにはどうすればいいか。これらのスキルを学んでから、カリスマ的な振る舞いの訓練をする。この順番が逆になると、厄介な結果を招きかねない。たとえば、重要なプレゼンテーションをまかされたとしよう。本番は順調に進み、あなたは習ったばかりの新しいツールを駆使して、かなりのカリスマを発揮した。しかし突然、誰かがあなたの集中力を乱すような発言をする。あなたは自信が揺らぎ、頭が混乱して、身につけたはずのカリスマのスキルも吹き飛んでしまう。


自分の内面をコントロールする方法を学ばずに、カリスマの外面的なスキルを身につけようとすることは、基礎工事があやふやな家に美しいバルコニーを付け加えるようなものだ。おしゃれなバルコニーが、たった1回の地震ですべてが崩れ落ちるだろう。精神的に混乱したままでは、学んだばかりの新しいスキルを、いざ必要なときに思い出すことさえできない。それに対し、カリスマの内面的なスキルは、心の状態をコントロールして、外面的なスキルを積み重ねていくために必要な基礎を築く手助けをする。