第2861冊目 人生を思い通りに変える51の質問 谷原 誠 (著)


人生を思い通りに変える51の質問

人生を思い通りに変える51の質問

  • もし、夢がかなったとしたら、どんな気持ち?


いざ人生に変化を起こそうとして何かを始めたとしても、途中でくじけてしまうことはよくあることです。むしろ、その方が多いと言えます。だからこそ、私たちは、小さくてもよいので、人生に変化を起こそうとして、より有意義で幸せな人生を歩もうと努力するのです。


あなたは、何を始めますか? あるいはもう始めているかもしれませんね。途中で挫折しないためには、どういう方法があるでしょうか?


私は大学生の時に弁護士になろうと志し、司法試験の勉強を始めました。今はロースクールもできて弁護士になりやすくなりましたが、当時は、合格者数は年間500〜600人、合格率2%の超難関試験でした。受験生達は、1日に10時間以上もの間、何年間も勉強を続けます。そうやってはじめてほんの2%が合格できる試験だったのです。


私も弁護士を夢見て、勇んで勉強を始めました。しかし、法律の勉強は難解で、毎日毎日法律の勉強ばかりし続けるのは本当に苦痛でした。また、私は大学時代4年間体育会系の運動部で週に6日間練習し、その他のアルバイトもしていたので、司法試験の受験予備校に行って仲間を作ることもできませんでした。1人で勉強していると、すぐにモチベーションが下がってしまい、怠けそうになる自分との闘いでした。


そこで、怠けそうになる自分に活を入れ、モチベーションを上げルために私が採用したのが、次のような質問でした。


「私は司法試験に合格した。合格を知った時はどんな気持ちだったか? その後弁護士として法廷で活躍しているときは、どんな気持ちだったか?」


つまり、すでに目標を達成したことを前提とし、そのシーンを想像の中で体験し、その高揚感をモチベーションアップにつなげるという方法です。


この方法は効果テキメンでした。1日中勉強を続けると、次の日にはモチベーションが下がってしまいます。その時に、先ほどの質問を行うのです。しかし、この方法も次第に効果が薄れてきました。なぜなら、この方法は、自分から頑張って合格後のシーンを想像しなければなりません。勉強で疲れている時に、わざわざそのようなイメージトレーニングをする気すら起きないようになってしまいました。


そこで私は次の手を考えました。自分の思考を誘導すべく自分の声でテープに吹き込み、質問を試みたのです。詳細は忘れましたが、次のような感じで吹き込んだと思います。


「あなたは、今日、司法試験の合格発表を見に来ています。法務省の赤煉瓦をくぐりぬけると、合格掲示板があります。あなたは他の受験生たちに交じって自分の番号を探します。ありました! あなたは司法試験に合格したのです! 今、どんな気持ちですか?……」