第２８２０冊目その話し方では軽すぎます！矢野香 (著)

現代の日本語は、舌を使うことが昔に比べて多くなっているそうです。

ＮＨＫ放送研修センターによると、辞典に掲載されている現代日本語は、カ行、サ行、タ行、ラ行、ハ行で始める言葉が多くなっているといいます。奈良時代から日本語は、英語などに比べて唇を使う言葉が多いとされてきましたが、現代日本語は唇ではなく、舌を使う発音が増えているのです。

舌の動きが鈍い、滑らかでないことを滑舌が悪いといいます。「滑舌」とは、言葉を仕事にする人たちの間で使われていた専門用語です。いまでは一般的にも広く使われるようになり、「大辞泉」にも掲載されています。

滑舌が悪くなる原因は、舌の筋肉が衰えて、上下運動ができなくなっているからです。その結果、「会話の中で言いよどみ、言い直しが多い」「日本語の音として一拍一拍が聞き分けられない」「一つの言葉の中で速さが変わる」といった話し方になってしまうのです。