第2762冊目 人を動かす質問力 (角川oneテーマ21 C 171) 谷原 誠 (著)
- 作者: 谷原誠
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/07/10
- メディア: 新書
- 購入: 28人 クリック: 228回
- この商品を含むブログ (68件) を見る
- 誤導質問〜知らない間に肯定させる禁断の技術
この誤導質問のテクニックは、たとえば営業の場面でも使うことができるでしょう。
「この車はとても燃費が優れているのです。色としては、黒と白はどちかがよろしいですか?」
「黒の方がいいね」
「私もその方が好きです。とても落ち着いています。300ccと350ccがありますが、どちらがよろしいですか?」
「うーん。値段次第だなあ」
「そうですよね。お見積もりに際して、お支払いは現金でしょうか。それともローンでしょうか」
「現金で支払うよ」
「ありがとうございます。ちなみにお届けは来週末と再来週末では、どちからがよろしいでしょうか」
この例では、「買う、買わない」を隠してしまい、当然買う前提で質問を組み立てています。したがって、答える方は、買う前提でしか答えることができません。そして、お客様は、購入する方へ誘導されてしまうのです。
私たち弁護士が使う債権回収場面では、次のように使うことができます。
「300万円支払ってもらうことになりますが、すぐ払えますか? それもと1週間くらい待ちますか?」
「ちょ、ちょっと無理です。色々相談しないと」
「しかし、とにかく今すぐいくらかでも払ってもらわないといけないんですが、10万円にしますか、それとも20万円可能ですか?」
「では10万円でお願いします」
「それと、先送りになるからには、ペナルティがつきます。保証人をつけますか、それとも何か担保がありますか」
この例では、「払う、払わない」を隠しています。当然払う前提で質問を組み立てているので、相手は「払わない」ということを前提にした回答ができません。後は条件のみでの交渉となり、有利に展開できます。