第2567冊目 一瞬で自分を変える法  アンソニー・ロビンズ (著), 本田 健 (翻訳)


一瞬で自分を変える法 (知的生きかた文庫)

一瞬で自分を変える法 (知的生きかた文庫)

  • 「脳の貯蔵すべき言葉」にまで意識を払う


いずれの場合も、結果を大きく左右したのは「何を信じていたか」である。一貫性のあるメッセージを脳と神経系に送り続けることで、メッセージは信念に変わる。


突きつめれば、信念は一つの精神状態、行動を支配する内面的イメージである。信じる内容いかんで力を得ることも失うこともある。


成功できるはずがないという信念を持てば、限界ばかりが目につき、圧倒的な壁となって目の前に立ちはだかるだろう。失敗というメッセージを送り続ければ、当然ながら失敗することになる。


自分が成功すると言おうが、失敗すると言おうが、どちらも正しい。一番大切なことは、どういう信念を持つか、どのように信念を育てるかである。


信念とは自分で選び取るものだ。そこに気づけば、あなたはよりすばらしい人生を手にできる。自分に限界を設けるような信念を選ぶか、自分を後押ししてくれる信念を選ぶかは、自分次第だ。


要は、成功や期待どおりの結果に直結する信念を選択し、行く手を阻みかねない信念は捨て去ることだ。


自分の真の能力が発揮できるか否かは信念にかかっている。アイデアが次々と流れ出てくるか、その流れが断ち切られるかも信念次第である。


たとえば、誰かに「塩を持ってきてください」と言われたとする。あなたの隣の部屋へ塩を探しに行く。「でも塩がどこにあるかわかりません」と言いながら、しばらく探すが、やはり見つからない。


相手がやってきてあなたの目の前にある棚から塩を取ると、「馬鹿だな。目の前にあるじゃないか。もしこれがヘビだったら、噛まれているところだ」と言う。


「〜できません」と口に出した瞬間、あなたの脳は塩を見るなという指令を出す。心理学では、これをスコトーマ(視覚神経系の異常により視野の一部を失うこと)という。


人が経験したこと――これまでに言ったこと、見たこと、聞いたこと、感じたこと、味わったことは、すべて脳の中に貯蔵されている。それほど、どんな信念を持ち、どんな言葉を話すかは大切であるということだ。